根管治療について(根管貼薬編)

みなさんこんにちは。

勝沼歯科医院の勝沼智彰です。

外も涼しくなり、秋らしくなってきましたね!

 

さて今回は前回のブログに書かせて頂いた内容の続きにはなりますが

根管治療について書かせて頂きます。

今回は根管治療の中の根管貼薬にスポットを当てて行きたいと思います。

今までのブログに書かせて頂いておりますが、根管治療ではいかに細菌感染を無くすことができるかが治療の成功に大きく影響してきます。

根管形成では根っこの内面の歯をファイルと呼ばれる細いヤスリの器具で削って拡大していく事により、感染を除去します。

さらに殺菌効果のある薬剤を用いて器具が届かない所までしっかり洗浄して行きます。

超音波の器具も併用して、より隅々まで作用が及ぶようにして行きます。

しかしこの時点では細菌は70パーセント程度までした除去できてないのです。

ここで必要なのが、根管貼薬になります。

殺菌作用のある薬剤を根管の中に作用させてあげる事です。

この根管貼薬をしっかりと行う事により、細菌数は90パーセント以上除去されます。

 

今回はこの根管貼薬に用いる薬剤についてもいくつか紹介させて頂きます。

 

1、水酸化カルシウム製剤

この薬剤は根の中に感染するほとんどの細菌に対して抗菌作用を有しており

なおかつ、根の先の歯周組織に対する影響もほとんどないと言われています。

また、次にあげる消毒剤の独特な匂いもありません。

安全性、抗菌作用共に信頼できる薬剤と言えます。

世界的にも最もスタンダードな貼薬剤でもあります。

市販されている水酸化カルシウム製剤は成分が水酸化カルシウム100パーセントではありませんので、当院では100パーセントの水酸化カルシウムを用いております。

 

⒉、ホルマリン系

揮発性のある消毒剤で、強い殺菌力を有していますが

その分根の先の歯周組織に対する影響の可能性が指摘されており近年ではあまり使われなくなっています。匂いも歯科医院特有の消毒剤の匂いがします。

そのため当院でもほとんど使う事がなくなってきている薬剤です。

 

3、失活剤

3つ目は歯の神経を失活(神経をわざと弱らせる)させるものです。

神経が炎症を起こしており、強い痛みが出ていたり、麻酔が効きづらい時などに応急的に使われる事が多い薬剤になります。

こちらも刺激性の強さから滅多に使用する事はありません。

 

細かく書けばもっと種類はありますがこれらの薬剤を使い分ける事により根っこの中をしっかりと消毒する事でようやく根の中は感染の無いきれいな状態になってきます。

 

もちろん治療中にしている仮蓋も外れないようにしっかりとする必要があります。

 

さて、次回はいよいよ根管治療の仕上げの治療である根管充填について書かせて頂きたいと思います!