こどもの予防☆ むし歯の予防 その2

みなさん、こんにちは。

勝沼歯科医院の勝沼隆之です。

3月に入りました!ここ最近は暖かい日も増えてきましたね。

 

今年は例年より桜の開花が早いと予測されているようですね。

新型コロナの陽性者の人数も減少し、緊急事態宣言解除も迫っております。今年こそはゆっくりとお花見…と言いたいところですが、油断せずにいきましょう!

 

さて、本題に入ります!

前回から子供のむし歯予防について書かせていただいておりますが、

今回はむし歯予防のポイントについて引き続き書かせていただきたいと思います。

 

むし歯予防のポイント その2

フッ化物を効率良く応用する。

 

むし歯は、細菌の産生する酸で歯が溶ける病気です。

細菌が酸を産生するためには、そのエネルギーとなる砂糖(ショ糖)が必要となるため、その砂糖の摂取の仕方を工夫することがむし歯予防に繋がりますよ。ということについて

前回お話をさせていただきました。

 

今回は歯の強化についてです。

歯の強化=酸に強い歯 を作るためにはフッ化物が有効です。

 

人間の歯は、一定レベル以上の酸にさらされているとその表面が溶け始めていきます。

この歯が溶ける、溶けないの境目のpHを専門用語で臨界pHと呼んでおりますが、エナメル質は臨界pHがおおよそ5.5で、歯の表面のpHがこの前後になると脱灰が始まります。

 

ここにフッ化物が取り込まれると、歯の表面は強化され、臨界pHが4.5(pHは数字が小さいほど酸性度が強くなります)くらいになります。

言い換えれば、フッ化物を取り込んだ歯は、通常の歯が溶け始めてしまう程度の酸にさらされても、溶けないでいられる ということです。

 

では、このフッ化物、どのように活用するのが良いのでしょうか?

 

  • フッ化物配合歯みがき粉

歯みがき粉からフッ化物を取り込む方法です。フッ化物配合の歯みがき粉を使用すると、磨いている間はもちろんのこと、歯みがきをした後で、口の中の歯や粘膜に残ったフッ素が少しずつ唾液にまざり効果を発揮し続けます。
むし歯予防の効果を高めるには、長い時間フッ素が口の中にとどまっていることが大切です。

そのため、歯みがき粉の使用量や歯みがき後のうがいの方法にも気を付けるポイントがあります。

 

年齢別フッ化物配合歯みがき粉の使用量の目安は

 

・6ヶ月~2歳  使用量:爪の先程度(2~3mm程度) 濃度:500~1000ppm未満

・3~5歳    使用量:5mm程度          濃度:500~1000ppm未満

・6~14歳    使用量:1cm程度          濃度:1000ppm

・15歳~     使用量:1~2cm程度        濃度:1000~1500ppm

 

次にうがいの方法についてですが

うがいの方法は

・歯みがき後、口の中の歯みがき粉を吐き出し、少量(10~15ml程度)の水でぶくぶくうがいをする。うがいは短め(5秒程度)で回数は少なく。

・歯みがき粉の味が残って気持ちが悪い場合は、

通常の歯みがきとフッ化物をいきわたらせるための歯みがき を分けて行うことをお勧めします。

方法は、

1初めに十分に歯みがきをしたうえでしっかりとうがいをし、

2その後良く洗った歯ブラシにフッ化物入りのジェルをつけて、歯全体に延ばすようにつける。

その後はうがいをせず唾液のみ吐き出す。

 

2.フッ化物塗布

こちらは、歯科医院でフッ化物を歯に直接塗る方法です。

市販品に含まれているフッ化物の濃度より高く、9000ppm程度のフッ化物を用い、年に数回塗布します。
生えたての歯は歯の質が弱い(未完成)ので、特に効果的です。
1歳半頃から行うことができます。

 

この他にも、フッ化物洗口という方法があります。

 

フッ化物の応用はむし歯予防に非常に効果的です。

また、その安全性についても証明されております。

 

いくつかの注意事項がありますので、それらに留意し正しく活用しましょう。

もし、ご質問等ありましたら、お気軽にスタッフまでお尋ねください。

 

それでは、次回に続きます☆