虫歯の予防について(唾液編1)

みなさんこんにちは。

勝沼歯科医院の勝沼智彰です。

 

今回も引き続き虫歯の予防について書かせていただきます!

今回のテーマは「唾液」です。

虫歯予防を考える上で「唾液」は非常に重要な役割を担っています。

唾液は口腔内で歯を虫歯から守るべくさまざまな役割を持っています。

・摂取した糖を洗い流す。

・細菌の糖代謝によって酸性になったプラーク中のpHを中性に戻す。

・脱灰した歯面の再石灰化を促進する。

など唾液は虫歯に対する最大の防御因子で、分泌が減少すると、虫歯が非常に速く進行します。

そのため、唾液が減少している方は虫歯のリスクが極度に高いと評価します。

 

ドライマウス(口腔乾燥症)の有病率は年齢とともに増加し、65歳以上では30%以上とも推定されています。

 

では唾液の量が減少するとなぜ虫歯が進行しやすくなるのでしょうか?

唾液量が少ないと

緩衝作用の低下→バイオフィルム(歯垢)中のpHが低い状態が続く。

浄化作用の低下→唾液中のスクロース溶液の濃度が高い状態が続くことにより、脱灰が再石灰化を上回り、虫歯が進行しやすくなります。

 

唾液には、刺激がなくても自然に流れ出る安静時唾液と

味覚や咀嚼などの刺激により多量に分泌される刺激時唾液があり

一日の合計分泌量は500〜1500mlと報告されています。

安静時唾液は分泌量は少ないのですが1日の中で長時間分泌されているため、虫歯予防に重要な役割を果たしています。

分泌量は、薬剤、全身疾患、体内の水分量、環境の明暗、体位、概日リズムなどの影響を受けます。

安静時唾液の分泌量は夕方に最大、起床時に最小と一定のリズムを示す事がわかっています。

夜から朝にかけて唾液分泌量は低下し、就寝時には著明に少なくなるため、唾液の作用が弱まり最も虫歯になりやすいと考えられます。

そのため、虫歯のコントロールには、夜、歯を磨いた後に飲食を控える事が重要です。

 

よく噛んで食べることは、消化を助けるだけでなく、虫歯予防の観点からも大切です。

よく噛むことで刺激時唾液が増加した結果、浄化作用と緩衝作用が高まります。

噛まずに摂取できる、糖を含んだ飲食物は、唾液の作用が期待できないため虫歯になりやすく、注意が必要と言えます。

 

ドライマウスになると、飴をなめる方が多く見受けられます。飴をなめて少しでも唾液を出し、口の中を快適にしたくなるからです。

しかし、ドライマウスの方が飴を頻繁になめると、歯の表面は脱灰が続き、物凄いスピードで歯を失って行きます。

 

さて今回はこのくらいにしておきます!

次回も唾液編2を書いていきます!