みなさんこんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼智彰です。
前回に引き続き、今回は酸蝕症への対処法についてご説明させていただきます。
前回のおさらいも含めてご説明させていただきますね!
歯を溶かす酸には、細菌が頭から作り出す酸と、食べ物や飲み物に含まれる酸があります。
細菌が作る酸より強い酸性を示す飲食物は意外と多く、日常的に摂っていると歯が溶けていくので注意が必要です。
また、酸性の飲食物を頻繁に摂ると、糖を摂取した際に細菌から強い酸が出やすくなります。
歯を守るには、原因の改善が最重要です。
日常生活の中で、以下のことに気をつけてください。
1飲食について
・食事以外での酸性の飲食物を日常的に摂取するのは控えましょう(成分表示に酸味料、柑橘系飲料、◯◯酸、クエン酸などと記載されているものに注意)
・酸性の飲料を飲む際には、歯に当てないようにストローを使いましょう
・水、コーヒー、牛乳、炭酸水、お茶(酸性のハーブティーを除く)は、砂糖が入っていなければ歯が溶けることはありません。
2歯磨きについて
・酸性のものを飲食する直前に歯磨きしないようにしましょう(歯を酸性から保護するたんぱく質の膜が取れてしまうため)
・酸性のものを飲食した直後の歯磨きも避けましょう(より歯が削れやすい)
・軟らかい歯ブラシと、研磨力の低い高濃度フッ化物配合歯磨剤を使いましょう。フッ化物を含まない酸性の歯磨剤や洗口剤は避けましょう
3酸性のものを飲食した後に行うこと
・重曹溶液やフッ化物配合洗口剤で洗口しましょう。あるいは、チーズ、無糖ヨーグルト、牛乳などの乳製品を摂るとよいでしょう。
・酸の含まれていないノンシュガーガムやあめで、唾液の流れを刺激しましょう(歯の状態によっては、ガムを噛むと歯が削れることがあります)
・どれも難しい場合には、水で口をゆすいでください。
4その他
・定期的に歯科医院で高濃度フッ化物の塗布を受けてください
・原因によっては医療機関で適切な治療を受けましょう(胃腸科、心療内科など)
以上が酸蝕症に対する注意事項となります。
酸蝕症の有病率は約30%と高く、原因を把握して適切に改善をしていく必要があります。
まず酸職能の高い飲食物の習慣的な摂取を避けることが大切になります。
特に酸と糖の両方が関わる「複合う蝕」はプラークの付着が少ない割に進行が速いので、より注意が必要になります。
適切な対処をすることで酸蝕症のリスクをコントロールしていきましょう!