タバコと歯周病の関係性

みなさん、こんにちは。

勝沼歯科医院の増田です。

今回は「タバコと歯周病の関係性」についてお話致します。

 

現在、日本にはどのくらい喫煙者がいるか、みなさんご存知ですか?

JTが1965年以降毎年実施している「全国たばこ喫煙者率調査」を参考にすると、2017年5月時点での喫煙者数は、男性28.2%、女性9.0%、男女計18.2%になります。

男性だけで考えると、ピーク時(昭和41年)の喫煙者数は83.7%なので、50年間で55%減少したことになります。

実際には年々喫煙者数は減少しているのですが、現在成人の約8割が歯周病罹患者、または予備軍と言われている時代だからこそ、喫煙と歯周病の関係性について、一緒に学んでいきましょう!

 

まず、タバコを吸う事自体が歯周病の原因になるのか?

喫煙は歯周病の直接的な原因にはなりません。

歯周病は「歯垢(プラーク)」が歯茎に付着することにより起こる病気です。

しかし、歯周病に罹ってしまった人が喫煙していた場合は、喫煙が歯周病を悪化させる因子になってしまうのです。

 

タバコの煙には数千もの化学物質が含まれており、そのうちニコチンや発癌性物質などの有害物質は200〜300種類とも言われます。

ではタバコの成分がどのように口の中に悪影響を与えるのでしょうか?

 

①タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」

組織への酸素供給を妨げます。

②「ニコチン」

一種の神経毒で、血管を縮ませるので、歯茎が酸欠・栄養不足状態になります。

このせいで、歯茎が腫れにくくなったり、出血しにくくなる為、歯周病に罹っても病気が現れにくい歯茎になってしまいます。

その他、ニコチンは体を守る免疫の機能も狂わせるので、病気に対する抵抗力が落ちたり、アレルギーが出やすくなります。

さらに、傷を治そうと組織を作ってくれる細胞の働きまで抑えてしまうので、手術後も治りにくくなります。

④「ヤニ」

歯の表面にヤニが沈着すると、歯がざらざらして歯垢が張り付きやすくなります。

その上、沈着したヤニから、いつまでも口の中や歯肉にニコチンが染み出し続けてしまいます。

 

歯周病は歯垢の中に住む細菌によって起こる病気です。

したがって歯周病を治すには、まずプラークコントロールが第一です。

タバコをやめたからといって歯周病が自然に治るわけではありませんが、タバコをやめ、正しいプラークコントロールを行い、適切な歯周病治療を施すことで、歯周病を改善させることが可能なのです。

逆に禁煙しない限り、歯周病を完治することはできません。

歯周病だけでなく、口腔ガンのリスクや口臭が減り、食べ物がおいしく感じられるなど、禁煙には利点が様々あります。

 

タバコを吸っていると、歯茎に歯周病の病症が現れにくいと伝えましたが、歯科医院で検査を受けていただければちゃんと歯周病かどうか判断できるので、まずは定期的な歯科医院への受診を、おすすめします!

 

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