健康な口腔内を守るために☆

みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼隆之です。

2020年も2月に入りました。
今年の冬は暖かいですね。でも2月は毎年雪が降ることも多いですし、気温の下がる日もあるかもしれません。体調を崩さぬよう、予防をしっかりとしていきたいですね。

さて、本題に入ります。
先月は口の中の病気は口腔常在菌のバランスが崩れることによって発症するということを書かせていただきました。風邪やインフルエンザのように外から細菌やウイルスが入ってくるのとは違い、普段から口の中に存在している細菌が何らかの影響を受けバランスを崩していくことが病気発症のきっかけとなります。

口の中の病気を作らないため、健康な歯を1本でも多く残すためには、このきっかけを極力与えないようにすることが一つの大きなポイントになってくると考えています。

では、具体的にはどのようにしていけばよいのでしょうか?

これにはプラーク(バイオフィルムともいいます)が大きく関連しています。

むし歯原因菌も歯周病原因菌も常在菌として口腔内に存在しているのですが、これらの菌は単独で存在していても何も害を及ぼしません。これがまず外から入ってくる病原菌やウイルスとの違いです。
口腔内の菌には口の中で浮遊しているものもあれば、歯面や粘膜にくっつく菌もいます。歯面表層に細菌がどんどんくっついてくると様々な種類の菌が集まることで一つの社会が形成されます。そうすると単独の菌だけでは起こり得なかった現象が起こり始めます。
例えば普段は歯面にくっつくことができず浮遊しているような菌が歯の表面に細菌の社会が形成されたことで、そこにくっつくことができるようになったり、そのくっついた細菌がさらに別の菌を呼び寄せる仲介役になったり、そこの細菌たちに栄養供給をするための役を担う菌がいたり。 そして、その初めのきっかけを作る菌。常在菌のバランスや質の調整に一役買っている司令塔のような菌がいたり・・・

この普段はなにもしない菌たちが集まり、互いに共同作用することで今までと全く別の状態をつくりだすこと。これがバランスの崩れた状態であり、この細菌たちの社会をプラーク(バイオフィルム)と呼びます。
かつては歯垢や歯クソとも言われておりましたが、プラークは食べかすとは全く別物です。成熟したプラークは見た目が白っぽく、いかにも食べかすのように見えるのですが、実際は細菌の集合体です。
「今日の朝は忙しくて歯を磨けなかったから」だけでは食べかすは残っているかも知れませんが、プラークは作られません、プラークが形成されるまでにはそれなりに時間がかかるのです。
それに常在菌は何も口の中に入ってくる食物をエサにしているわけではないので、仮に食事をとらなくても形成されます。
これが食べかすとの違いです。

このプラークを成熟させずに、口の中の常在菌といかにうまく付き合っていくか。
それが、口の中に作らないための最大のポイントとなります。

では、どのように付き合っていけばよいの