補綴治療について(全部床義歯編2)

みなさんこんにちは。

勝沼歯科医院の勝沼智彰です。

さて前回に引き続き全部床義歯について書かせていただこうと思います。

今回は全部床義歯の製作工程についてです。

まず、保険治療における製作工程は

1.印象採得(型取り)1回

2.咬合採得(噛み合わせの記録)1回

3.ろう義歯試適(完成前の確認)1回

4.装着

という流れになります。

これはつまり、この4回の工程の中で何とか作るしかないということです。

それ以上手間を掛ければその治療工程には保険点数は付かないため大赤字もいいところです!

しかし、全部床義歯は歯が全て失われている状態の所に全部の歯を補う治療です。

いわばこれ以上重症になることはない状態から、一気に全ての歯を作る治療をたったの4回で違和感もなく、痛みもなく、ばっちり何でも噛めます!

、、、とはいかない事は想像に難しくないと思います。

上下の歯を合わせると28本あります。

以前の豆知識ブログにも書かせていただいていますが歯には1本1本の異なる役割があります。

上下の歯が、見かけではキレイに噛み合わさっている入れ歯でも、痛い、噛めないという訴えをされている患者さんが多いのも事実です。

ではどの様にすれば、この問題を解決できるのか?

そのためには製作工程をより細かく確実に、そして確認をしながら治療を進めていく事です。

例えば型取りをする際にも、1回目の型取りで作製した模型上で専用のトレーを作り、そのトレーを使ってより精密な型取りをする。

歯が1本も無い状態。つまり噛む位置の基準が何も残っていない状態から噛み合わせの位置を決めなくてはなりません。そのためにはまず高さを決めた後に、前後左右的な位置の記録をとる。

など、1つ1つの工程を複数回に分けて行うことにより治療の精度は上がっていきます。

しかし保険のルールではこれが出来ません、、、!

お口の中はとても繊細な感覚が備わっているため、ほんの僅かなズレなどが「痛い、外れる、噛めない」原因になってしまうのです。

自費の義歯は保険の義歯と比べてかなり高額になりますが

これは本来それだけの手間と費用が掛かる治療を、手間を省いて費用を抑えたものが保険治療であると捉えてもいいのではないでしょうか。

もちろん、保険適応であったとしても術者の技術によって差は出てくると思いますが

そもそも必要な工程を省かざるを得ない治療でもあるのです。

次回は自費の義歯についてより詳しく書かせていただこうと思います!

入れ歯の事でお困りの方は是非ご相談ください。