介護現場に液体歯磨き

 

みなさん、こんにちは。

勝沼歯科医院の増田です。

 

とあるCMで「災害現場に液体歯磨き」というセリフを耳にしたことがある方はいらっしゃると思います。

しかし実際に液体歯磨きとはどんな物なのか。洗口剤(マウスウォッシュ)との違いはなんなのか。

それぞれの用途を説明できる方は少ないのではないでしょうか。

現在注目度が高まる「液体歯磨き」について掘り下げていきたいと思います。

 

数年前から広く浸透している液体歯磨きは、名前の通り、「歯磨き粉を」液状にしたものです。なので液体歯磨きを口に含んで歯磨き、または液体歯磨きで口をゆすいで吐き出してから歯磨きをしないと、効果を最大限に発揮できません。

液体歯磨きは研磨剤を含んでいないため、歯の表面を傷つけたり、歯茎を傷めたりするリスクがありませんが、歯面に着色が残りやすくもなる為、それが気になる方は研磨剤を含んだ練り歯磨き粉の使用をお勧めします。

 

体力や抵抗力が弱っている高齢者の方にとって、全身の健康や生活の質の維持や向上のために口腔ケアは欠かせません。

液体歯磨きは介護用品ではありませんが、高齢者の方にお勧めな点が多くあります。

 

液体歯磨きの使い方は簡単です。

まず適量(商品によって異なる)を口に含み、20~30秒ほどクチュクチュして、液体を口の中に十分行き渡らせます。
液体を吐き出した後、通常の歯磨きのようにブラッシングを行ってください。
中には、吐き出さずに口に溜めたままブラッシングするものもあるため、説明書をしっかりと確認しましょう。

ブラッシング後は有効成分を口の中に残すため、水ですすぐ必要のない商品がほとんどです。

 

【液体歯磨きを使用するメリット】

・研磨剤が入っていないため、歯や歯茎を傷つけない
・液状で口腔内の隅々まで有効成分が行き届く
・発泡しないので、時間をかけてじっくりと磨くことができる
・ブラッシングの後、うがいが不要なので有効成分が残る
・基本的に水が必要ないため、洗面所などに移動しなくてもよく、災害時にも役立つ
・低刺激なものもあり、口の中の状態が悪いときにも使いやすい

 

【高齢者の方におすすめの点】

練り歯磨き粉の場合、ブラッシングの後にしっかりとすすぐ必要があるため、体が不自由だったり、寝たきりだったりする高齢者の介護では、使いにくさを感じるかもしれません。

しかし、液体歯磨は水ですすぐ必要がない、もしくは軽いすすぎで十分なことから、介護での歯磨きにかかる手間がかなり軽減されます。

また、すすがないことで有効成分が長時間口の中に残り、虫歯や歯周病の予防にもつながるとされています。

高齢になると指先が思うように動かずに、細かいブラッシングが難しくなってしまいます。また、認知症のためにブラッシングがうまくできない方もいます。

液体歯磨きなら歯が磨きにくくなってしまった高齢者でも、有効成分を口の中にいきわたらせることができます。

ブラッシングがうまくできない場合には、かかりつけ歯科医と相談をして、定期的に歯科医師や歯科衛生士によるメンテナンスを受けるといいでしょう。

誤って液体歯磨きを飲み込んでしまった場合、少量であれば無理に吐かせたりはせず、水を飲ませて様子を見ましょう。

 

液体歯磨きについて詳しく分かりましたか?

様々な種類の口腔ケアグッズが市場に並ぶ中、何が1番自分に合うものか迷われる事もあるかもしれません。

その際はかかりつけ歯科医院にて、自分自身に合う口腔ケアグッズは何か質問してみましょう!