キシリトール

みなさん、こんにちは。

勝沼歯科医院の小島です。

 

梅雨入りして雨が降る日が多くなりました。傘をさすのも面倒だし、洗濯物も乾かないし、ジメジメしていて気分も乗らない…という方は多いのではないのでしょうか?

雨には「恵みの雨」という言葉もあります。

草木や作物の成育に必要な雨だったり、一般的には天の助けのように降る雨のことを言います。

このように雨は悪いことばかりではありません。恵みの雨という言葉のように、何事もプラスに考えられるようになりたいものです。

さて、6月は虫歯予防月間です!

今回は虫歯予防にちなんでキシリトールについてお話したいと思います。

キシリトールとは、自然界に存在する天然の糖アルコールです。多くの果実や野菜に含まれ、人の体でも作られます。全ての糖アルコールの中で最も甘く、砂糖と同等の甘味度をもっています。

 

では、キシリトールは虫歯の発生、進行を防ぐと言われていますが具体的にどのような効果をもっているのでしょうか。

1.唾液分泌の促進と再石灰化作用

これは他の糖アルコールも同じ作用を持っています。

砂糖と同じ甘味を持つため、口腔内に入れると味覚が刺激され唾液分泌を促進します。また、ガムの場合には咀嚼により唾液分泌が促進します。ただし、唾液分泌を促進しても、唾液にはミュータンス菌(むし歯菌)の数を減少させる効果はありません。キシリトールによりプラーク中のカルシウムレベルが上がるので、再石灰化に役立ちます。さらに、キシリトールとカルシウムの複合体は歯の硬組織中に進入し再石灰化を促進し、歯を硬くします。

2.非酸産生、プラークの改良、ミュータンス菌の抑制

これはキシリトールだけがもつ作用です。

ソルビトールやマルチトールなど多くの糖アルコールは、少ない量ではあるけれども口腔常在菌によって酸を作ります。キシリトールは、口腔常在菌が利用できないため、まったく酸を作りません。

プラーク中に存在するショ糖を分解する酵素の活性を低下させ、プラーク中で酸が出来にくくするだけでなく、酸の中和を促進する働きがキシリトールにはあります。

キシリトールを常用していない人の口腔内に存在するミュータンス菌の約9割は、キシリトールによって糖代謝を阻害されるミュータンス菌です。キシリトールを常用すると徐々に減少し、これに代わって約1割存在していたキシリトールの影響を受けない菌が増加します。キシリトールの影響を受けないということは酸の産生が少なく、プラークを作らない菌なので、虫歯になりにくい菌といえます。

 

しかし、キシリトールを摂取するだけでは虫歯を予防できません。キシリトールを上手に使うためには、日々のブラッシングや、正しい食生活、歯医者さんでの定期検診が大切です!

当院ではキシリトール入りのガムやタブレットの販売もしていますので、お気軽にスタッフにお声掛け下さい!